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中小企業の皆様へのメッセージ
 2009年 4月
 輸出関連製造業を中心に受注の大幅な落ち込みにより在庫削減、そして経費削減がほぼすべての企業で争うように始められています。こんな時こそ、企業の核となる事業をじっくりとよく考えてみてください。次にその核となる事業を継続するには、自社の現在の強みはなんであり、また継続するために現在欠いていることはなんであるかを考えてみてください。
この核となる事業を発展させるためには、たとえ不況であっても投資を行い、強みを伸ばして弱みを補います。今ならよい人材を取れるチャンスではないでしょうか。また今まで真剣に検討できなかったことを始めるのに良い機会です。製造業であれば整理・整頓・清掃を始めることで、サービス業ならお客様満足度を測ることで、どんどん会社は改善できます。
逆に、核となる事業以外にいろいろと手を伸ばして、場当たり的な投資を行ったのであれば、すぐに凍結や廃止を検討しましょう。多角化経営により不採算の事業が増えているならば、今が捨てるときです。今なら誰にも反対されることはありません。
不況は決して永続はしません。必ず出口があります。ところがようやく出口に立った時に足腰がふらついていてはその先の勝負になりません。不況は大いなる変化ですので、それは同時に大いなるチャンスでもあります。

 2009年 7月
 金融不況の影響が長引き、受注が伸びず元気の出ない会社が多いようです。お互いに元気がなければ、ますますスパイラルダウンとなります。反対にそれぞれの会社が元気を出せば、相乗効果で皆が一気に元気になります。私は次のように考えて行動すればよいと思っています。
第1に、あるべき姿を描き、目標を持つことです。失敗のイメージがあると必ずそうなります。ゴルフをする方はそのような経験をお持ちではありませんか。反対に成功のイメージを明確に持てれば、迷いがなくなり、成功する可能性は増えます。
第2に、目標を実現するための仕組みをつくること。人事に262 という法則があります。
20%の層は人一倍、成果を上げる人、60%は平均的な人、残りの20%は無気力、グチ、言い訳、責任転嫁が多くマイナス思考の人と言われています。組織活性化のためには中間の60%の層を引き上げることが必須です。そのためには彼らの失敗を叱るのではなく、よいところを発見し、褒めることをお勧めします。
第3に、楽しく仕事をすることです。人間楽しく仕事をすると、ドーパミンなどのホルモンが出て、仕事がワクワクドキドキしてきます。当然、コミュニケーションもよくなり、創造力などの潜在能力が活性化します。
第4に、感謝の気持ちです。辛いことや悲しいこと、悔しいことなどのマイナス感情は、“この試練は有り難いことなんだ”といった感謝の気持ちで思い直すことでプラス感情になることが多いものです。
こんな時代だからこそ、元気にプラス思考で生き抜きましょう。
 2009年 10月
 今回の景況調査結果を総合すると、製造業にはわずかに底打ち感が感じられますが、基本的には全業種にて依然として厳しい状況です。中小企業のトップは、まだまだ不況の影響は続くと予想しています。そろそろ不況から脱出して、景気回復に向かってほしいというのが本音のところでしょう。
こういう時期にこそ、全社一丸となって苦境を乗り切っていく姿勢が必要です。そのためにも、経営者のかじ取りに従って、素早く会社全体が動く組織体質をつくっておきたいものです。
ところで、従業員の意識からみると、従来のような“権限による強制力”はその効き目が失われつつあるようです。もはや、人を操作対象として扱うような姿勢は時代遅れになってきています。
 ・人は皆、無限の可能性を持っている
 ・必要とする解決策は、すべての人が自分自身で見つけることができる
 ・自分で見つけ出した解決策は、自ら進んで実現するために動き出す
 ・解決策を見つけ実現するために、上司の理解ある支援が必要である
 ・上司と部下の信頼関係が前提である
このことを経営トップは改めて肝に銘じるべきでしょう。
従業員を動かすための経営者の心構えとは、第一に会社の進むべき方向性を明確にして、それを従業員に徹底して浸透させること、第二に従業員が感じていること(反論も含めて納得できないこと)を理解して受け止めることで、「経営者は自分のことをわかってくれている」、と従業員に感じさせることです。その結果、両者の信頼関係が築かれ、従業員は素直に経営者の思いに共感し、経営者の思う方向に向かって主体的に行動するようになるでしょう。
こうした現場を変える経営者のマネジメント力が、会社を救うように思います。
 2010年 1月
 いつも予約でいっぱいのレストランがあります。この不景気で客足が遠のくかと心配しましたが、逆にお客さんが増えたので、ご主人が休めるのは年に一日だけだそうです。お客さんは近場のみならず関西や九州からも押しかけてきます。お金をかけた宣伝は全くしません。すべて口コミの力で、お客さんがお客さんを呼び込んでいます。
レストランはご自宅を改造して食堂を作り、お客さんは昼に一組、夕方に一組を受け入れます。最大十名のお客さんがひとつのテーブルを囲み、落ち着いた家具やよく手入れをされた小庭を眺めることになります。メニューはご主人が毎日市場に出かけて、ご自分でその日の入荷食材を見てから決めます。近くの農家の無農薬野菜で旬のものを使うこともよくあります。材料が揃うと、あとは料理人の腕次第ですが、ご主人は昔からの料理人ではなく、会社経営の傍らの趣味が高じてレストランを開き、転業したのでした。好きこそものの上手なれ、の見本です。
お客さんが予約を入れるときにご主人はお名前を確認して各人の好みを聞きます。そして名前をうまく織り込んだ歓迎の歌をお客さんひとりひとりのために作り、好みに合わせて料理を考案していきます。お客さんを思い浮かべながらいろいろと考えている時が一番幸せだそうです。ちなみにこのレストランではウエイトレスは置かず、料理を出すのも下げるのも、すべてご主人一人でおこないますので、お客さんの反応はその場ですぐにわかります。お客さんの喜ぶ顔を見て、驚く声を聞いて、今日の料理の話を披露するときのご主人の顔は輝いています。
繁盛の理由は何でしょうか?おいしい料理を落ち着いた雰囲気の中で楽しめて、価格もリーズナブルですので人気は高まります。それを何年も続けることができるのは、お客さんの喜びをご自分の喜びとするご主人の生き方から来ているのではないかと思います。二度、三度と見えるお客さんがさらに喜ぶことが、ご主人のさらなる生きがいなのです。 好きなことをして、人の役に立ち、それでほそぼそでも暮らしていければ十分と、悟られた方がおっしゃっていましたが、好きなことをして、人に喜ばれ、忙しく働けることはいっそうすばらしいことで、ご主人がうらやましく思われます。わたくしも、自分の喜びと人の喜びが少しでも重なるように努力して生きたいものです。
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